【まさゆ記】 ~恥ずかしがり屋~
私、武藤正幸は何を隠そう、いや隠しません、
恥ずかしがり屋だ。
八百屋さんの隣に「恥ずかしがり屋」を
開店しようと思うくらい、
それはもう、恥ずかしさは売るほどある。
このシャイボーイっぷりは昔からで、
緊張すると頭の中は真っ白になり、
顔は真っ赤になるという、
『紅白シャイ合戦』が開催され、
いつも周りにどう思われてるのか、
気になってしょうがないような人間だった。
そんな自分を変えたくて、
我武者羅應援團をやり始めたけど、
やっぱり恥ずかしがり屋は治らなくて、
今でも舞台に上がる前には、
緊張し過ぎて、気持ち悪くなる。
当然、そんな恥ずかしがり屋の自分のことを
好きにはなれず、
心にシャイという名の小骨が刺さっているような、
チクリとした痛みをずっと感じていた。
そんなある日、
会社で新人採用の仕事をしている友人と話していたら、
彼がこんなことを言ったのだ。
「俺はシャイな人を採用するようにしてる」
なんだと!!!!
僕は思わず身を乗り出した。
今まで生きてきて、
恥ずかしがり屋を評価されたことなど、
ただの一度もない。
なんならシャイな自分はずっとダメなんだ。
そう思ってきた。
なのに彼は「シャイな人が良い」
そんなことをさらっと言うのだ。
全国のシャイボーイ&シャイガール、
こんなところにシャイ神様がいたぞ!!
当然、僕は質問した。
「シャイのどこが良いのさ?」
すると彼は真剣な顔でこう答えた。
「今まで多くの採用面接をやってきて、
シャイな人には共通点があるって気づいたんだよね。
みんな想像力が豊かなんだよ」
シャイな人は想像力が豊か・・・
思ってもいない言葉だった。
「だってさ、シャイな人は自分がどう見られるのか、
想像を巡らせるから、恥ずかしいって思うんだよね。
でもこの想像力って、
仕事をする上でとても大事だと思うんだよね」
このシャイな感性が仕事に役立つ?
彼はこう説明してくれた。
「自分の言動が相手にどう受け取られるのかという想像力
相手は自分に何を期待しているのかという想像力。
仕事って、目の前に分かりやすい答えが提示されないから
言われたことだけをやるのではなく、
想像力を駆使して相手の満足度を上げないといけない。
シャイな人はその想像が得意なんだと思う」
他人の目が気になるのは、
相手に想像力を働かせていることの裏返し・・・
だから恥ずかしがり屋も、
立派な才能。
僕にとっては目からウロコの発想だった。
そして、そんな彼の言葉を聞いて
今まで嫌いだった恥ずかしがり屋の自分を
ちょっぴり好きになれた気がした。
全国の恥ずかしがり屋の同志達よ、
その想像力をバンバン使って、
ガムシャラに、恥ずかしがっていこう!!
我武者羅應援團 総監督 武藤正幸
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