【まさゆ記】 ~遠回り~
とある学校での応援が終わった後に、
その学校の音楽の先生からメールが届いた。
文面にはこんなことが書いてあった。
「みなさんの応援歌を聞いて、涙が止まりませんでした。
今度、生徒達の合唱曲として歌わせてもらおうと思います」
その文章を読んで昔のことを思いだした。
ミュージシャンを目指して活動してた頃、
あるライブハウスのオーディションに参加したことがある。
曲を演奏し終え、
ライブハウスのスタッフの方と面接をしたのだか、
今後の活動の話になり、
「将来どんなミュージシャンになりたい?」
と聞かれたのだ。
僕は「音楽の授業で歌われるくらいの
ミュージシャンを目指します」
そう自分の夢を熱弁した。
するとそのスタッフの方が苦笑いをしながら、
「君の歌じゃ、厳しいでしょ」
そう言った。
その言葉に僕はとても落ち込んだし、
未だに覚えているってことは、
だいぶ傷ついたんだと思う。
それ以来、
1日でも早くその夢を叶えようと頑張った。
(正直、見返したい気持ちもあった)
だから夢を叶えるための近道を必死に探した。
でも結局ミュージシャンとしては成功できず、
兄に誘われ我武者羅應援團に参加した。
あのオーディションの日から10年以上が経ち、
残念ながらミュージシャンにはなれなかったけど、
今、僕が作った歌を音楽の授業や卒業式など、
色々な場面て歌ってくれる人がいる。
僕はしみじみ思う。
頑張ってきてよかった。
長い年月がかかったし、
王道のルートからはだいぶ外れてしまい、
かなりの遠回りをした気がする。
でも、遠回りをしたからこそ
作り出すことのできた歌達が、
こうして誰かの心に届いているのかと思うと、
遠回りも悪くないなと思う。
近道を探しているだけでは、
決してたどり着けない幸せが、
この世界にはあるんだ。
さあ 遠回りをしよう
我武者羅應援團 総監督 武藤正幸
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