【まさゆ記】~アソビゴコロ なぜあの人ばかり応援されるのか 3~
僕の知人が病気で入院をした。
スポーツが大好きな人だった。
しかし、その病気のせいで
彼女は杖がないと歩けない体になってしまった。
この前まで、普通に歩けていたのに・・・
そんな彼女が退院し、
久しぶりに仲間達で会うことになった。
不慣れな杖をつき、
つまづきながらも歩く彼女に、
なんて声をかけたら良いのか?
周りの友人達も、
ショックと戸惑いを隠せないでいた。
すると、そんな重い空気の中、
彼女の杖に何かが貼り付けてあるのを、
仲間の一人が見つけた。
よく見ると、シールのようだ。
そのシールにはこう書かれていた。
『つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの』
あいだみつをさんの言葉だ。
ふふっ
思わず笑ってしまう仲間達に対して、
彼女はしてやったりと言う顔をして、
「私にピッタリでしょ!!!
『みつを』はいいこと言うわ!」
そう言ってハッハッハと笑った。
僕は心が温かくなると同時に、
彼女のことを心から応援したくなった。
もちろん病気が分かった時はショックだったと思う。
体を動かすのを生きがいにしていた彼女だから、
もっとやりたいことがあったろうし、
運動も続けたかったはずだ。
でも、もう今までのようにはできない。
しかし、そんな自分から、
彼女は決して目をそらさなかった。
弱音を吐きたくなる気持ちと何度も向き合い、
暗闇に包まれてしまいそうになる心の中を、
自らのユーモアで照らしたんだ。
生きていれば、誰だって大変なことはある。
でも、その辛い状況をただ嫌だと愚痴っている人を、
応援したいと思うだろうか?
目の前の困難に対して、
逃げるでもなく、
諦めるでもなく、
無謀な闘いを挑むでもなく、
遊び心を持って受け入れる。
それが本当の意味での『強さ』なんだと思う。
そんなアソビゴコロを持った人を、
周りは応援したくなるんだ。
我武者羅應援團 総監督 武藤正幸
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